スーツの鎧に身を固め、サラリーマンは今日もゆく。
会社という名の戦車に乗って。
隣は鬱病、数字は神、
横文字の光線すり抜けて、
とにかくパワポを打ちまくれ!
囁かれる都市伝説。
そのオフィスの地下書庫には怪人がいるという。
その歌声は、出世に響くという。
書庫からのびるレッドカーペットは、
屍の山を越え、役員室へと続いてる。
これは、愛とロマンと冒険を歌い上げる壮大な音楽劇である。
サラリーマンの…。
1988年11月にオープンした近鉄アート館。その後2001年に演劇事業を休止したが、2014年、あべのハルカスのオープンをきっかけに再開。開館とともに関西の人気スポットに躍り出たあべのハルカス近鉄本店のウィング館8階に復活した。
「VIVA!ミュージックアート館」は、2015年に近鉄アート館の1周年を記念して開催された、演劇と音楽の祭典ともいうべき企画。演劇にも音楽ライブにも対応するアート館の特性を生かし、後藤ひろひとプレゼンツのライブショー、玉造小劇店初のミュージカル、大西ユカリやNON STYLE石田明らの特別ユニットによるライブ、キムラ緑子と大谷亮介という実力派俳優のタッグによるライブステージなど、豪華かつ絶妙なラインナップで、連日大入りの超人気企画となった。
第3回目となる「VIVA!ミュージックアート館2017」も劇団のみならず、伝統芸能やお笑いなど5団体が参加。近鉄アート館独自の三方囲み客席で、”音楽を使った演目”をそれぞれ上演する。
今回初参加となるレトルト内閣は、この人気者ぞろいの名物企画に「サラリーマン音楽劇」で挑む。三名刺繍のオリジナル楽曲をベースにした作品づくりをしてきたレトルト内閣にとっては、またとない機会となる。
「VIVA!ミュージックアート館2017」記者会見
楽団による生演奏をバックに、俳優が物語を紡ぐ―
今作では、そんな豪華なコラボレーションが実現する。
生演奏には、サックス奏者として多数アーティストとコラボし名を馳せてきた武井努、
瞬間で空気を変えるギタリスト菱沼カンタ、
多数バンドに参加し活躍中のベース井上歩、
即興音楽の名手・ドラムの原口裕司と、豪華な布陣。
そして俳優が紡ぐ物語の舞台は、「オフィス」。
舞台はこんな都市伝説から始まる。
「そのオフィスの地下には、怪人がいるという」
あの名作ミュージカルを重ね合わせ、日常的な場所で、みみっちくも壮大な物語が展開する。出世コースから外れたかに見えたサラリーマンが、地下書庫の「怪人」と出会って出世の秘策を授けられる・・怪人の教えるサラリーマンノウハウで、出世街道を駆けあがるかに見えた主人公だが、予想だにしない結末が待つ。
劇中に登場する怪人のサラリーマンノウハウは、レトルト内閣が誇るサラリーマン俳優・こみたおが監修する。「万の自己啓発本を読んだ」と豪語するこみたおが、厳選に厳選を重ねた珠玉のノウハウ集は、「芝居一本で自己啓発本5冊は書ける内容」と言わしめるもの。
日常の仕事の鬱憤を、エレガンスロックに乗せて時に激しく時にメロディアスに歌い上げる、前代未聞の音楽劇がここに誕生する。
「見たら必ず出世する音楽劇があるという」
そんな都市伝説となる舞台の創作をめざす。
華やかなのにダーク、B級なのに耽美という独自路線を開拓し続ける劇団レトルト内閣。その舞台はエンターテインメントでありながら、音楽から想起されるパフォーマンスアートとしても高評価を得ており、エレガンスロック演劇という独自のジャンルを切り開く。
2001年、関西学院大学の演劇サークルを母体として、座長・川内信弥(かわちしんや)を中心に旗上げ。演出・脚本・音楽は三名刺繍(みなししゅう)が担当。近鉄アート館、HEP HALL、ABCホールなど、大阪の劇場中心に2017年現在で25回の演劇公演を重ねてきいる。
第22回公演「酔筆 奇術偏狂記」
(2014年8月 HEPホール)
脚本・演出の三名刺繍が、自らの祖父であるマジシャン・金沢天耕(1909-1995)をモデルに書き下ろした、ヒストリカル・マジック戯曲!!
第20回公演
「エレガンスROCK 倦怠アヴァンチュール」
(2013年2月 HEPホール)
劇団代表作の再演作品。明るく切ないニューハーフの生き様を描いた大阪発エレガンスロック演劇。
第19回公演「金色夜叉オルタナティブ」
(2012年6月 HEPホール)
近代文学の金字塔、尾崎紅葉の「金色夜叉」を大胆リメイク!新解釈・エレガンスロック版「金色夜叉オルタナティブ」。